学生起業 高校生の法人立ち上げ 徹底解説
高校生でも法人(会社)を立ち上げることは可能です。今回は法人立ち上げまでの手続きや申請資料の解説をしていきます。高校生の法人立ち上げは複雑な部分もありますが、正しく申請していけば問題ありません。この記事に書いてある通りに手続きを行えば必ず会社は設立できます。(今回解説するのは株式会社を1人で立ち上げた場合です)
- 高校生にならないと立ち上げは難しい
- 〈ステップ1〉会社設立の準備をしよう
- 〈ステップ2〉印鑑登録を行おう
- 〈ステップ3〉会社の住所を決めよう
- 〈ステップ4〉事業内容の整理と資本金を決めよう
- 〈ステップ5〉定款を作成しよう
- 〈ステップ6〉定款を認証しよう
- 〈ステップ7〉電子定款を利用しよう
- 〈ステップ8〉資本金を払い込もう
- 〈ステップ9〉登記書類を作成しよう
- 〈ステップ10〉設立後の届出を準備しよう
- 〈ステップ11〉法人口座を開設しよう
- 〈ステップ12〉会社を運営していこう
高校生にならないと立ち上げは難しい
基本的には高校生にならないと法人立ち上げは不可能です。法人の立ち上げには印鑑証明が必要で、この登録ができる年齢が15歳以上と定められています。誕生日が早ければ中学3年生からでも起業できます。印鑑登録の手続きは簡単ですのでこの後細かく解説していきます。また高校生の起業は一部の申請書で両親(父・母)の同意書が必要です。例外で高校生以下の起業も可能ではあるので別の記事で解説します。
〈ステップ1〉会社設立の準備をしよう
法人立ち上げの申請書類には必ず印鑑が必要になります。作る印鑑は全部で4種類です。
- 本人の実印(フルネームを推奨)
- 法人実印
- 銀行実印
- 社印
本人の印鑑は印鑑登録を行い、印鑑証明を出してもらう形になります。(印鑑登録を行うことで初めて実印となります)印鑑登録にはいくつかの注意点があります。地域で異なりますが基本的には直径8mm以上25mm以下で作る必要がありゴム印は登録できません。他にも印鑑登録の規定はありますが、はんこ屋さんで「印鑑登録に使用するために作りたい」と言えば規定に添った印鑑を作ってくれるはずです。
法人実印は登記する際に必ず必要です。この時点で商号を決めておく必要があります。印鑑の中では大きめのもので会社で最も大切な印鑑になります。銀行実印は法人口座開設の際に必要です。小切手や銀行と絡む書類はほぼ銀行実印を使用します。
法人立ち上げの段階で社印は使いません。会社が設立された後、見積書や請求書で使用します。結果的に必要なので先に作っておくことをおすすめします。
〈ステップ2〉印鑑登録を行おう
印鑑登録は市町村役場で手続きを行います。必要なものは本人の印鑑と身分証明書のみです。印鑑登録では印鑑費用が請求されます。金額は地域によって違いますが、高額ではありません。役場に行ったら、カウンターや受付で「印鑑登録の手続きを行いたい」と伝えます。印鑑登録の申請書類を受け取ったら必要事項を記入し印鑑登録は完了です。難しい手続きではないので30分程度で終わります。
〈ステップ3〉会社の住所を決めよう
登記するためには必ず会社の住所が必要です。自宅の住所を使用する方もいますが、多少のリスクが伴うのでおすすめはしません。賃貸で借りる場合が多いですが、毎月賃貸料を支払うのもかなり負担です。一番おすすめの方法はレンタルオフィスの活用です。最近は銀座や渋谷など一等地の住所を使うことも可能です。会社の住所は意外と重要な要素のひとつで、将来他企業と取引を行う際会社の住所でも信用度が変わってきます。レンタルオフィスの使用料はピンキリですが平均すると月2万円ぐらいです。さらに費用を抑えたい場合はバーチャルオフィスも使用できます。バーチャルの場合は月3000円ぐらいになります。
〈ステップ4〉事業内容の整理と資本金を決めよう
起業しようと思った時点でどのようなビジネスをするのかある程度イメージできていると思います。 そのイメージを整理していきましょう。ここで大切なポイントは将来やりたい内容も書いておくということです。例えば、アパレルのお店を立ち上げる予定だとします。最初は下請け会社に作ってもらい販売しますが将来的には自社で製造、販売を行いたいと思った場合、アパレルの販売、アパレルの製造、この2つを事業内容に書くという形になります。資本金は1円でも可能ですが、信用問題もあるので100万円は超えていた方が良いと思います。資本金は6ヶ月分の運営で発生する費用をカバーできる金額にするのが一般的です。
〈ステップ5〉定款を作成しよう
一番最初に定款を作成していきます。そもそも定款とは何かご存知でしょうか?簡単に言うと定款は会社の規則を定めるための資料です。私たちは、どのような会社で何をするのか、どこにあるのか、などを書き記しておくのです。定款は同じものを合計3つ用意します。下のリンクから定款のテンプレートをダウンロードできますので、印刷して記入しましょう。
取締役会が無い場合はこちらをダウンロードしましょう↓
定款には絶対に記入しないといけない項目がいくつかあります。
- 商号
- 事業内容
- 会社の住所
- 資本金
- 発起人の住所
- 発行する株式の枚数
上に書いてある項目は絶対記入が必要です。
〈ステップ6〉定款を認証しよう
定款の記入が終わったら、役場で認証を行います。定款は認証を受けないと社会的に認められた書類にならないのです。 役場に持っていくものは以下の通りです。
- 定款3通
- 発起人の印鑑証明書
- 収入印紙
- 手数料の現金5万円
- 定款の写し(2000円)
収入印紙は郵便局で購入します。価格は4万円です。また、代理人に認証手続きをお願いする場合、委任状が必要になります。委任状は下のサイトからダウンロード可能です。
定款認証の手続きを初めての方でもスムーズに行うための5つの手順 | inQup
〈ステップ7〉電子定款を利用しよう
ステップ6で定款認証について解説しましたが、認証費用を抑える方法があります。本来収入印紙で4万円かかりますが、電子化することで安くできます。紙ではなくデータで認証するということです。紙に4万円もかけるのはもったいないので電子定款の利用をおすすめします。完全に無料になるわけではなく、電子定款も多少の費用がかかります。電子署名のソフトや、作成ソフトを購入しないといけません。また、起業手続きを代行してくれる会社に頼むのもありです。代行会社は必要なソフトを持っているので、4万円より安い価格で代行してくれるところがほとんどです。
〈ステップ8〉資本金を払い込もう
ステップ4で用意した資本金を振り込みます。基本的に設立した初年度は税金が免除されますが、資本金1000万円を超えると課税対象になります。資本金の払込手続きでは払込証明書を作成する必要があります。払込証明書を作成するには、まず、自分の口座に自分名義で振り込みます。振り込んだら、通帳のコピーをとり払込証明書を作成します。会社が設立できたら個人名義の口座から法人口座にお金を移動させます。
〈ステップ9〉登記書類を作成しよう
ここからは登記の準備に移ります。登記に必要な書類は以下の通りです。
基本的に必要な書類は8点です。事業内容によっては他に書類が必要になります。登記できる期間は決まっていて、資本金を振り込んでから2週間以内となっています。登記書類の細かい詳細は下のサイトが一番分かりやすいと思います。
〈ステップ10〉設立後の届出を準備しよう
登記が終了した時点で会社の設立は完了です。しかし、設立後に申請する書類は沢山あります。下にまとめているリストは基本的に提出が必要になる書類です。従業員を雇う場合はさらに届出が増えます。
税務署に提出するもの4点
都道府県・市区町村に提出するもの1点
- 法人設立届出書
法律事務所に提出するもの1点
- 法人設立届出書
設立後に必要な書類は下のサイトからダウンロードができます。是非活用してください。
〈ステップ11〉法人口座を開設しよう
会社を設立できたら法人口座を開設します。基本的には都市銀行を利用します。三井住友銀行やみずほ銀行など。開設に必要な書類は以下の通りです。
- 登記事項証明書
- 認証済みの定款
- 代表取締役の印鑑証明書
- 代表印(法務局へ届け出たもの)
- ステップ1で作った銀行印
- 本人の身分が証明できるもの
ここに書いてあるものを持って口座を開設したい銀行へ行きましょう。不安な部分があっても銀行に行けば教えてもらえるので心配いりません。ただ口座開設を断られる場合もあります。大抵は、「事業内容がはっきりしていない」や「住所がない」、「資本金が少ない」といった理由なのでステップ1から順番に正しく手続きをしていれば問題はありません。
〈ステップ12〉会社を運営していこう
法人の立ち上げに関する手続きは全て終わりです。ここからは会社を運営に集中していきましょう。日本での会社運営はかなり大変です。起業してもほとんどの会社が倒産しています。そんな中生き残るにはどうしたら良いのでしょうか? 会社の存続で一番大切なのは、その会社にしかない強みを持つことです。「人件費を抑えることで安く提供できる」、「1つの分野に特化した研究技術がある」など会社の強みは様々です。高校生で起業する方は自分の年齢が強みになるかもしれません。また起業したという経歴も個人的な強みになるでしょう。ほとんどの人が就職という道を選ぶ中、道無き道を歩こうとしているだけでとても立派だと思います。分からない点がありましたら、まずはネットで調べてみて下さい。起業に関する解説は沢山あります。また今回法律事務所との契約に関して解説していません。今後おすすめの法律事務所を紹介しますので少々お待ちください。
wakamononosigotoba.hatenablog.jp